革ジャンを語るうえで外せないブランドのひとつがSchott(ショット)です。なかでも613ワンスターと618は、よく似たシルエットを持ちながら、ディテールには明確な違いがあります。
この記事では、Schottの公式情報をもとに、現在案内されている613と618の特徴を整理します。年代や仕様違いも存在するため、ここでは現行モデルの情報を基準にします。
この記事の要点
- 米国公式では、613も618も1平方フィートあたり3〜3.5ozのステアハイドで、価格はどちらも$1,020(2026年11月確認)
- 見た目の違いは、613の星付きエポレットと無地のスナップ、618の星なしエポレットと「SCHOTT」刻印のスナップ
- 着丈は613が24インチ、618が25インチ。618は深い腰の当て革や脇のハトメなど、バイク向けの作り
- 618は、613の星が盗まれることが多かった1955年ごろに生まれた(米国公式の歴史ページ)
Schottとは?
Schottの歴史は1913年にニューヨークで始まり、公式サイトでは1928年にフロントジッパーを採用したライダースジャケット「Perfecto」シリーズを発売したことが紹介されています。その後、50年代に星型スタッズをエポレットに配した「One Star」が登場しました。
米国公式の歴史ページによると、1953〜54年の映画『乱暴者』でマーロン・ブランドがワンスターを着たことで、このジャケットは反抗の象徴になりました。人気が出たことで肩の星が盗まれることが増え、1955年ごろに星を外した618が作られます。つまり618は、613の人気から生まれた兄弟モデルです。現在の米国製モデルは、ニュージャージー州ユニオンの工場で作られています。
613ワンスターの特徴
現行の613は「Original ‘One Star’ Perfecto Motorcycle Jacket」として展開されています。公式情報では、ヘビーウェイトのステアハイドを使用し、アシンメトリーなフロントジッパー、ワンスターのエポレット、コインポケット、ウエストベルトなどを備えています。
- ステアハイドのヘビーウェイトレザー
- 星型スタッズを配したエポレット
- アシンメトリーなフロントジッパー
- コインポケット
- ウエストベルト
- バイ・スイングバックと脇下の可動性を考えた構造
公式説明では、613の革はクロムなめし、ドラム染色されたステアハイドとされています。新品時は比較的しっかりした感触があり、着用によって身体に馴染んでいくことが説明されています。重さは1平方フィートあたり3〜3.5oz。原皮は米国産で、なめしはメキシコで行われています。裏地は中綿入りのキルティングナイロンを縫い付けたもので、スナップはロゴのない無地です。

618の特徴
618もステアハイドを使ったPerfectoのライダースです。613と似ていますが、公式情報ではエポレットに星がなく、Schottロゴ入りのスナップを採用するなど、ディテールに違いがあります。
Schott Japanの解説では、618はモーターサイクルギアとしてより機能面を意識した設計が紹介されています。キドニーパッド、アクションプリーツ、脇下のアイレットなど、ライディング時の動きを考えたディテールが特徴として挙げられています。
米国公式の618の商品ページでは、外側にジッパー付きのポケットが3つ、小さなコインポケット、内側の下にマップポケットがあり、ベルトのバックルはニッケルめっきの四角い形です。脇の下はハトメで通気する「フットボール」型のマチで、裏地は5.5ozの中綿入りキルティングを縫い付けています。色は黒と茶の2色です。







613と618の違い
| 項目 | 613 | 618 |
|---|---|---|
| モデル | Original One Star Perfecto | Perfecto Motorcycle Jacket |
| 革 | ヘビーウェイト・ステアハイド(3〜3.5oz) | ヘビーウェイト・ステアハイド(3〜3.5oz) |
| エポレット | ワンスター | 星なし |
| スナップ | ロゴなし | 「SCHOTT」刻印入り |
| フロント | アシンメトリージッパー | アシンメトリージッパー |
| 着丈(米国表記) | 24インチ | 25インチ |
| 背中・腰 | バイスイング | バイスイング。深く丸い腰の当て革、613より開くプリーツ(日本公式) |
| 襟 | — | 上襟にスナップ(日本公式) |
| 脇の下 | フットボール型のマチ | ハトメで通気するフットボール型のマチ |
| 色 | — | 黒・茶 |
| サイズ展開 | 32〜54 | 32〜54 |
| 米国価格 | $1,020 | $1,020 |
| 設計 | クラシックなワンスターの意匠 | モーターサイクル用途を意識した機能的なディテール |
表を見ると、革と価格は同じで、違いは「飾り」と「バイク向けの工夫」にあることが分かります。米国公式は、どちらも多くのジャケットより細めの作りで、サイズを上げて選ぶ人も多いと案内しています。
革ジャンとして見るべきポイント
613と618を比べるときは、単純に「どちらが上か」と考えるより、革とディテールがどのように違うのかを見る方が面白いでしょう。
- 革の種類と厚み
- エポレットの仕様
- ポケットの配置
- 背中や脇の可動性を考えた構造
- ファスナーやスナップなどの金具
- 実際に着たときのシルエット
613 ONE STARの歴史と現行モデルを知りたい方へ: タグの変遷から70年以上にわたるワンスターの系譜と、現行モデルのディテールを動画で詳しく解説しています。
Schott 613 ワンスターの起源と現在までの遍歴|タグで読み解く70年以上の歴史を見る →
SCHOTT ショット613ワンスターの系譜と現行モデルのディテール紹介を見る →
特に革ジャンは、写真だけでは分かりにくい厚みや張り、縫製の立体感があります。実物を確認できる場合は、革そのものだけでなく、細部の作りまで見るとモデルごとの違いが分かりやすくなります。

613・613US・613USTを混同しないために
「613」という数字だけでは、比較対象を十分に特定できません。日本公式のワンスター解説でも613USと613USTは分けて紹介されており、613USTは上野商会による日本別注のモデルです。したがって、613USTの着用レビューを、そのまま613や613USのサイズ選びに当てはめるのは避けたいところです。
この記事の米国モデルの基本仕様は、米国公式613商品ページと618商品ページを参照しています。日本向けの派生モデルや中古の年代違いは、販売ページにある正式品番・素材・実寸を別途照合してください。
618の背面構造は、どこを見ると分かる?
日本公式は618について、腰側に深く張り出すキドニーパッド、前傾姿勢に対応するアクションプリーツ、脇下の通気用アイレットを説明しています。これは同ページで紹介されたモデル同士の比較であり、すべての年代・派生品番で同じ差があると断定するものではありません。


ここからは、仕様を購入判断につなげるための編集上の確認ポイントです。背面写真では腰を覆う裾の形、試着では腕を前へ出した際の背中の張りを確認します。プリーツがあるという説明だけで動きやすさを決めず、自分の肩・胸まわりと合っているかを確かめると、見た目以外の違いも比較できます。



通販・中古購入では同じ条件で比較する
まず出品名ではなくタグの品番を確認し、次に肩幅・身幅・着丈・袖丈の採寸位置を揃えます。着丈は「襟を含むか」、袖丈は「肩の縫い目からか」で数値の意味が変わります。手持ちの一着を基準にする場合も、販売店と同じ測り方に揃えることが大切です。
試着では普段合わせるインナーを着て、前を閉じた状態、椅子に座った状態、腕を前へ伸ばした状態を順に確認します。硬い革が馴染むことと、肩幅や袖丈の不一致が解消することは別です。「着れば伸びる」を前提にサイズを決めず、圧迫する場所と余る場所を具体的に販売店へ伝えましょう。
参照範囲:上記リンクの公式商品説明と日本公式特集。製造年代や販売地域の異なる個体について、実物検証を行ったものではありません。
よくある質問
Q. 618は613より安いモデルですか?
米国公式では、613と618はどちらも$1,020で同じ価格です(2026年11月確認)。Schott日本公式も、618は「ワンスターの廉価版」ではなくバイク用に作り替えたモデルだと説明しています。
Q. 中古で613か618か見分けるには?
まずタグの品番を確認します。次にエポレットの星の有無、スナップのロゴの有無を見ます。ただし星は盗まれやすかった部品で、後から付け外しされている個体もあり得るので、星だけで判断しないようにしましょう。中古の見方は中古革ジャンの選び方でまとめています。
Q. 新品が硬いと聞きました。どれくらいでなじみますか?
米国公式は、613も618も新品時は「とても硬い」革で、慣らしが必要だとしています。期間は着る頻度や体格で変わるため、公式にも決まった目安はありません。経年変化の考え方は革ジャンの経年変化を参考にしてください。
まとめ
613ワンスターと618は、どちらもSchottを代表するPerfecto系ライダースですが、エポレットをはじめとしたディテールや設計思想に違いがあります。
Leather Archiveでは、これからブランド名だけで判断するのではなく、「どんな革を使い、どんな構造で、どんなディテールがあるのか」という視点から、革ジャンを一着ずつ掘り下げていきます。
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次に読む: 革ジャンの選び方 革ジャンの手入れ方法
参考:Schott NYC公式|613 One Star Perfecto Schott NYC公式|618 Perfecto Schott NYC公式|The Schott Story Schott NYC Japan公式|ONESTAR(2026年11月確認)
モデルの違いをさらに知る
Schott 613ワンスターの歴史|1928年のPerfectoから現行モデルまで
Schottワンスターとルイスレザー ライトニングの違い|アメリカと英国のダブルライダースを比較
Schott 613・618・217USを比較|革・シルエット・ディテールの違い
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