エアロレザーを代表するモデルのひとつが「ハイウェイマン」です。そして、その派生モデルとして登場したのが「プレミア1930sハイウェイマン」。どちらも一見するとよく似ていますが、実際にはシルエットだけでなく、想定している年代の違いが大きなポイントです。
この記事では、エアロレザー公式の情報をもとに、クラシックなハイウェイマンとプレミア1930sハイウェイマンの違いを整理します。
この記事の要点
- ハイウェイマンは1983年にデザインされた1950年代風のモデル。名前は1950年代にロンドンのRivettsが作った同名のジャケットから
- プレミアは「1930年代に作られていたら」という発想で型紙を引き直したモデル。高いアームホール、細い袖、ボタンの袖口、二の腕の通気孔など
- 公式の基本価格はハイウェイマン1,050ポンド、プレミア1,140ポンド。どちらも受注生産で約10〜12週間
- 同じ「42」でも年代設定でゆとりが違う。プレミアだからといって単純にサイズを下げるのは適さない
ハイウェイマンとは?
エアロのハイウェイマンは1983年にデザインされたモデルで、1950年代のレザージャケットをイメージしたクラシックなシルエットが特徴です。エアロ自身も、リラックスした「1950年代」フィットをこのモデルの大きな魅力として説明しています。
現在ではエアロを代表する定番モデルとなっており、同社によれば長年にわたってベストセラーであり続けています。1980年代には英国のインディーバンドの間でも人気を集め、形は40年以上ほとんど変わっていないとされています。
- 前:2ピース+3ポケット。横向きの胸ジップポケットと、内側にモールスキンを張った深いハンドウォーマーポケット
- 背中:3ピースで、上部にV字のヨーク
- 腰:裾近くのサイドアジャスターで締め具合を調整
- 袖口:風の入りを防ぐストームカフが標準

プレミア1930sハイウェイマンとは?
プレミア1930sハイウェイマンは、クラシックなハイウェイマンを「もし1930年代にデザインされていたら」という発想で再構築したモデルです。基本的なデザインの魅力を残しながら、より身体に沿うシルエットへ型紙を変更しています。
なお、ハイウェイマンにはもうひとつ、元のRivettsのジャケットにより忠実に近づけた「59’erハイウェイマン」という派生もあります。同じ名前でも、「どのハイウェイマンか」を確かめるのが大切です。

最大の違いはシルエット
| 項目 | ハイウェイマン | プレミア1930s |
|---|---|---|
| イメージ年代 | 1950年代 | 1930年代 |
| フィット | リラックスフィット | スリム・テーラード |
| アームホール | クラシックな設定 | 高め |
| 袖 | 標準的なクラシックシルエット | 細め。二の腕に通気孔 |
| 襟 | 幅広めのクラシックな襟 | 幅を抑え、先端を長く尖らせた形 |
| 袖口 | ストームカフ | ボタンカフ |
| 背中 | 3ピースバック+V字ヨーク | 同じ構成でVヨークをより強調 |
| 腰 | ゆったりした印象 | ウエストを絞り、アジャスターを裾寄りに配置 |
| 公式の基本価格 | 1,050ポンド〜 | 1,140ポンド〜 |
プレミアは単なる「細身版」ではない
ここが最も重要なポイントです。プレミア1930sは、単にクラシック・ハイウェイマンの身幅を細くしたモデルではありません。高めのアームホール、細くした袖、ウエストの調整、襟の形、背中のVヨークなど、全体のパターンを1930年代らしいシルエットに合わせて変更しています。
エアロ公式も、プレミアをクラシック・ハイウェイマンの「作り直し」と位置づけ、フィットと輪郭が大きく異なるモデルとして説明しています。アームホールを高くすると、腕を上げても身頃が引っ張られにくく、細い袖でも動きやすくなります。二の腕の通気孔も、細身の袖の空気の抓けを助ける工夫です。
フロントデザインには共通点も多い
一方で、両者はまったく別物というわけではありません。プレミアはハイウェイマンの特徴的な2ピース+3ポケットのフロント、3ピースバック、ウエストのサイドアジャスターなどを受け継いでいます。
襟・袖口・背中にも違いがある
- 襟:プレミアは襟幅を抑え、先端を長くしたよりシャープな形状。
- 袖口:プレミアはボタンで留めるカフスを採用。
- 背中:プレミアはVヨークのカーブを強調。
- 前身頃:プレミアにはわずかに前裾が下がる形状が設定されています。
- 胸ポケット:プレミアにはループ付きボールチェーンの胸ポケットが設定されています。
- 二の腕:プレミアには通気用の穴(エアベント)があります。

サイズ選びにも注意
同じサイズ表記でも、1930年代と1950年代では着用感が大きく異なります。エアロのFAQでも、1950年代のハイウェイマンは当時らしいゆったりしたフィット、1930年代スタイルは現代的な感覚に近い細身のフィットになると説明されています。FAQによれば、1950年代のスタイルはおよそ1サイズ大きめに作られています。
特にプレミアはレイヤード用の余裕が少なくなるため、単純に「普段より1サイズ下げる」という考え方は適しません。着込む量や実寸を確認して選ぶことが重要です。公式のハイウェイマンの商品ページでは「普段のサイズが基本。今風にすっきり着たい人は下げることも多い」と案内されています。
| 項目 | ハイウェイマン | プレミア1930s |
|---|---|---|
| 標準サイズ | 34〜48インチ | 34〜48インチ |
| それ以外のサイズ | 特別注文で対応 | 特別注文で対応 |
| 製作期間の目安 | 注文確定から10〜12週間 | 注文確定から10〜12週間 |
| 注文時の確認 | 工房の担当者が寸法を確認し、必要なら変更を提案してくれる | |
ハイウェイマンとプレミア、方向性の違い
大きく整理すると、クラシック・ハイウェイマンは1950年代らしいゆったりした存在感を楽しむモデル。一方、プレミア1930sは1930年代らしいコンパクトで身体に沿ったシルエットを楽しむモデルです。
同じハイウェイマンの名前を持っていますが、年代設定とパターン設計が違うため、実際に着たときの印象もかなり変わります。
動画で実物を比較
エアロレザーの代表作「ハイウェイマン」と「ハイウェイマン・プレミア」の違いについて、実物を見ながら詳しく解説しています。
1950年代の原型と、1983年のエアロ版を区別する
エアロ公式のハイウェイマン史によれば、名前の由来は1950年代に英国のRivetts(ロンドンのレイトンストーン)が製作した同名のジャケットです。1983年のエアロ版は、その一着をそのまま複製したものではなく、同時代の米国で作られたら、という方向で再解釈したモデルと説明されています。


ここを分けて読むと、「1950年代スタイル」と「1983年にデザインされたモデル」は矛盾しません。同様に、Premier 1930sの公式商品説明も1930年代風への再構成を示しています。「1930s」という名称だけから、1930年代の特定の実物を忠実に復刻した製品と捉えないことが、モデルの背景を理解するポイントです。
下の初期モデルのタグには「Genuine Steerhide(牛革)」とあります。エアロがアメリカから馬革を輸入し始めたのは1986年とされ、現在の公式ページでは馬革のハイウェイマンが中心に紹介されています。


同じサイズ42でも、同じゆとりにはならない
公式FAQのサイズ説明では、サイズ42の1950年代型ハイウェイマンと1930年代型を例に、年代設定によるフィットの違いを説明しています。表記サイズを揃えるだけでは、肩・胸・袖のゆとりまで揃えた比較にはなりません。
以下は編集上の試着ポイントです。クラシックは胴まわりの余裕と裾の収まり、プレミアは脇の位置と上腕の圧迫感を重点的に確認すると、型紙の差を判断しやすくなります。同じインナーで前を閉じ、腕を下ろしたときと前へ伸ばしたときの両方を比較してください。身幅だけが合っていても、肩や上腕が窮屈なら、別サイズを試す理由になります。
注文前に販売店へ伝えたい情報
問い合わせでは「普段はサイズ○○」だけでなく、着用するインナー、手持ちで着やすいジャケットの実寸、その採寸方法、希望する着丈と袖丈をまとめます。「すっきり着たい」場合も、胸・腹部・袖のどこを細く見せたいかまで伝えると、モデル選びとサイズ選びを分けて相談できます。
公式FAQではオンライン注文のサイズ相談を受け付け、受注製作と在庫販売の両方を案内しています。採寸は自分で行い、胸、腹部、ウエスト、よく合うジャケットの背丈と袖丈を伝える形です。正確さのために、他の人に測ってもらうよう勧めています。受注製作の納期はモデルや時期で変わるため、購入時の商品表示と注文確認を基準にしてください。在庫品や中古品では、希望する仕様を選べる前提にせず、その個体の革・裏地・実寸を確認する必要があります。
比較の順序は、求めるシルエット → 型紙の選択 → インナーを含めたサイズ確認 → 購入する個体の仕様確認です。公式仕様から分かることと、試着や販売店への問い合わせで確かめることを分けると、「同じサイズなら同じ着心地」という思い込みを減らせます。
よくある質問
Q. 初めてのエアロならどちらがいいですか?
ニットなど厚手の服を中に着たい人や、おおらかな形が好きな人はクラシックのハイウェイマン。シャツや薄手のインナーで、体に沿う形を楽しみたい人はプレミアが候補になります。エアロの他のモデルはエアロレザーの歴史とベーシックモデルで紹介しています。
Q. 「59’erハイウェイマン」とは何ですか?
エアロ公式によると、名前の由来となった1950年代のRivettsのジャケットを、より忠実に再現した派生モデルです。1983年のクラシックが「アメリカで作られていたら」という解釈なのに対し、こちらは英国の原型寄りと考えると分かりやすいです。
Q. 中古で探すときの注意点は?
受注生産のブランドなので、同じモデル名でも革、裏地、寸法が1着ずつ違います。初期モデルのように牛革の個体もあるので、タグの革の表示と実寸を必ず確かめましょう。見る点は中古革ジャンの選び方にまとめています。
まとめ
エアロレザーのハイウェイマンとプレミア1930sは、どちらも同じ系譜のデザインですが、方向性は明確に異なります。ハイウェイマンは1983年に登場した1950年代スタイルのクラシックなリラックスフィット。プレミアはそのデザインを1930年代風に再構築し、高いアームホール、細い袖、絞ったウエスト、シャープな襟、ボタンの袖口などを採用しています。
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参考:Aero Leather公式|Highwayman Jacketの歴史 Aero Leather公式|Highwayman Aero Leather公式|Premier 1930s Highwayman Aero Leather公式|FAQ The Rake|Aero Leather

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