BUCO JH-1とは?|ヴィンテージ実物とTHE REAL McCOY’S復刻を徹底比較

BUCO JH-1 実物とリアルマッコイズ復刻の比較(YouTubeサムネイル)

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BUCOを代表するヴィンテージモデルのひとつがJH-1です。今回の記事では、ヴィンテージの実物とTHE REAL McCOY’Sによる復刻モデルを比較しながら、JH-1の歴史とディテールを見ていきます。

THE REAL McCOY’S公式では、JH-1をBUCOが1947年上半期に初めて市場投入したとされるライダースジャケットとして紹介しています。また、J-24につながる前段階のモデルとして位置づけています。

この記事の要点

  • BUCOはデトロイトのジョセフ・ビューゲルアイゼンの会社。広告では1933年創業とされ、バイク用品から始まり、1947年に服の分野へ進出した
  • JH-1はBUCOが最初に出したモーターサイクルジャケット。1953年に生まれたJ-24より前のモデルで、Dポケットはない
  • 特徴は馬革、斜めのフロントジップ、腰のスナップ留めベルト、ジップ付きの袖口とポケット
  • THE REAL McCOY’Sは何度か品番を変えて復刻している。実物と比べるときは「どの年の復刻か」と「実物の推定年代」を分けて考える
ヴィンテージ実物 BUCO JH-1の正面全体
ヴィンテージ実物 BUCO JH-1の正面全体

BUCOとはどんな会社だったのか

BUCOは、アメリカ・ミシガン州デトロイトのジョセフ・ビューゲルアイゼン(Joseph Buegeleisen)が興した会社です。社名は、創業者の名字の最初の音「Bu」と、会社を意味する「Co.」を組み合わせたものとされています。ジャケットのタグに「Joseph Buegeleisen Co.」と入っているのはこのためです。

ジョセフはもともと飛行用ゴーグルの営業マンで、1930年ごろにデトロイトへ移ったと伝えられています。会社の広告では1933年創業とされていますが、当時の市の住所録に会社名が載るのは1937年からという調査もあり、創業年には少し幅があります。最初はバイク用の風防やマフラー、サドルバッグなどの用品を作り、1940年から「Buco」の名前を使い始めました。

服の分野へ本格的に進んだのは戦後の1947年です。1940〜50年代の馬革のライダースは今もこの会社の代表作とされ、自社工場で作られていました。1966年に会社はアメリカン・セーフティ・エクイップメント社へ売却され、その後のジャケットは日本、スペイン、イギリスなどへ生産が移っていきます。

年出来事
1933年ごろデトロイトで創業(広告上の年。住所録への掲載は1937年から)
1940年「Buco」の名前を使い始める
1947年服の分野へ進出。最初のモーターサイクルジャケットJH-1が登場
1952年ごろデトロイト郊外のエイトマイル・ロードの大きな工場へ移る
1953年Dポケットのダブルライダース J-24が生まれる
1966年アメリカン・セーフティ・エクイップメント社へ売却
THE REAL McCOY’S、販売店の商品説明、ヴィンテージ研究ブログなどから作成

BUCO JH-1とは?

JH-1は、BUCOがバイク用品の会社からライディングウェアの会社へと広がっていく、その最初の一着です。複数の復刻メーカーが、JH-1を「BUCOが最初に作ったモーターサイクルジャケット」と説明しています。のちのJ-24やJ-100ほど有名ではありませんが、BUCOの評判をつくったジャケットとして、コレクターの間では大事にされているモデルです。

デザインはJ-24ほど複雑ではなく、ダブルブレストのスポーツジャケットを思わせる比較的シンプルな構成。それだけに、革やファスナー、スナップなどのディテールが目立つモデルです。

  • 革:馬革(ホースハイド)
  • 前:斜めに走るフロントジッパー
  • 腰:スナップで締め具合を調整するベルト。全周ベルトではなく、外れにくい作りになっている
  • ポケット:ジップ付きのポケット。J-24の象徴であるDポケットはない
  • 袖口:ジッパーで閉じる
BUCO JH-1の背面全体
BUCO JH-1の背面全体

JH-1とJ-24の関係

JH-1を知るうえで重要なのがJ-24との関係です。THE REAL McCOY’SはJH-1を、ライディングに特化した機能性を持つJ-24の「前日譚」のようなモデルとして説明しています。JH-1が1947年、J-24が1953年。この6年の間に、BUCOのライダースはDポケットやベルトを備えた、より装備の多い形へ進んでいきます。

項目JH-1J-24
登場1947年(BUCO最初のモーターサイクルジャケット)1953年
前の形斜めのフロントジップ斜めのフロントジップのダブルライダース
象徴的なディテール腰のスナップ留めベルトDポケット
ポケットジップ付きポケット(Dポケットなし)Dポケット、コインポケット、マップポケットなど
復刻の裏地(THE REAL McCOY’S)ウールのチェックナイロンキルト
印象シンプルで落ち着いた雰囲気装備が多く、華やか
復刻の裏地は年度や品番で変わることがあります

J-24について詳しくはBUCO J-24の記事で比較しています。

前面と袖のシルエット
前面と袖のシルエット

ヴィンテージ実物を見るポイント

  • フロントのダブルブレスト構造
  • 胸・袖・サイドに配置されたファスナー
  • 4つのスナップボタン
  • 短丈のモーターサイクルジャケットらしいシルエット
  • ヴィンテージならではの革の質感と経年変化
  • 年代によるファスナーやパーツ仕様の違い

タグも大事な手がかりです。襟元には「Buco」の名前とサイズ、別のタグには「Joseph Buegeleisen Co.」の社名が入っています。ただし、タグだけで製造年を決めることはできません。ファスナーの刻印や裏地、スナップの形と合わせて考えるのが基本です。

襟元とBucoのタグ(サイズ38)
襟元とBucoのタグ(サイズ38)
Bucoタグ(Joseph Buegeleisen Co.)
Bucoタグ(Joseph Buegeleisen Co.)

THE REAL McCOY’Sの復刻モデル

現在のTHE REAL McCOY’SのJH-1は、ヴィンテージの雰囲気を再現しながら、素材やパーツまで年代感を意識して作られています。公式仕様では、ホースハイドをタンニン鞣しし、ピグメントフィニッシュを施しています。

THE REAL McCOY’Sは、これまでにもJH-1を何度か作っています。販売店の説明では、品番BJ18001は新喜皮革のタンニン鞣し馬革にアニリン仕上げ、ウール100%の赤黒チェックの裏地、1950年代のタロンジッパー、ベルトにはDOTのスナップという仕様でした。公式サイトには2021年のブラウン(BJ21001)も載っています。同じ「JH-1」でも、品番によって革の仕上げや色が違うことを覚えておきましょう。

バッファローチェック裏地と内ポケット
バッファローチェック裏地と内ポケット

復刻版のディテール

項目THE REAL McCOY’S JH-1
レザーホースハイド/タンニン鞣し/ピグメントフィニッシュ
ライニングプレードウール
フロントファスナー50sスクエア・ブラス・コットンテープ
袖口・サイドファスナー50s TALON・ブラス・コットンテープ
胸ファスナー40s丸型・ブラス・コットンテープ
スナップDOT社プル式
縫製糸カタン糸(綿糸)
THE REAL McCOY’S公式商品ページ(BJ26002)の記載をもとに作成

ファスナーを「フロントは50年代の四角い引き手、胸は40年代の丸い引き手」と部位ごとに使い分けているのが、この復刻のこだわりです。BUCOの実物でも年代によってパーツが変わるため、復刻では「どの時期の個体を手本にしたか」がパーツ選びに表れます。

なお、JH-1を復刻しているのはTHE REAL McCOY’Sだけではありません。イギリスのBill Kelsoも、1947年のJH-1をもとにした馬革のジャケットを受注で作っています。

胸と脇のジップポケット
胸と脇のジップポケット

実物と復刻、どこを見るべきか

ヴィンテージ実物と復刻を比較するときは、単に「似ているか」だけではなく、革の質感、パーツの形、ファスナーの仕様、ライニング、縫製、そして着用時のシルエットを見ることが重要です。

HOOKジッパーの引き手
HOOKジッパーの引き手

特にJH-1の場合、復刻版はホースハイドや年代を意識したファスナーなどを採用しており、細かなパーツまでヴィンテージの雰囲気を追求しています。

見る場所ヴィンテージ実物復刻(THE REAL McCOY’S)
革長年の着用でシワや色の変化がある。状態は個体ごとに大きく違う新品から自分で育てる。馬革をタンニンで鞣した仕様
ファスナー年代や修理歴で種類が変わる。交換されていることもある部位ごとに年代を意識したパーツを使い分け
裏地交換されていることがある品番ごとに決まった裏地
サイズ当時の表記。今の同じ数字と着心地が合うとは限らないサイズを選んで買える
入手中古市場のみ。出会いしだい新品(在庫や受注のタイミングしだい)
袖口のジッパー
袖口のジッパー

ヴィンテージと復刻の違い

ヴィンテージ実物の魅力は、実際に長い年月を経た革の表情、個体差、当時のパーツが残っていることです。一方、復刻モデルは、新品の状態から着用を始められ、サイズや素材を選びやすいことに加え、現代の品質管理のもとで当時のディテールを楽しめる点に特徴があります。

ヴィンテージ実物 BUCO JH-1の正面全体
ヴィンテージ実物 BUCO JH-1の正面全体

JH-1を動画で実物比較

ヴィンテージ実物とTHE REAL McCOY’S復刻版を実際に見比べながら、JH-1のディテールを詳しく紹介しています。

JH-1の実物と復刻を同じ基準で見ない

THE REAL McCOY’SのJH-1公式製品ページは、現代の復刻品の仕様を調べる資料です。掲載された素材やパーツを、そのまま1940年代のすべてのBUCO実物へ当てはめることはできません。復刻の品番と、ヴィンテージ個体の推定年代を分けて確認しましょう。

実物を購入する場合は、ラベルやジッパーだけで断定せず、裏地の交換・袖丈の修正・革の補修歴も販売店に確認します。パーツ交換があると、見た目の特徴と製造時の仕様が一致しない場合があります。

腰のスナップストラップのアップ
腰のスナップストラップのアップ
前裾とスナップボタン
前裾とスナップボタン

日常着として選ぶなら、復刻は新品時の仕様と販売条件、実物は状態と修理可能性を比較します。希少性に払う金額と、着用のために払う金額を分けて考えると、予算に合う選択がしやすくなります。

肩と襟元のアップ
肩と襟元のアップ

よくある質問

Q. JH-1とJ-24、初めての1着ならどちらがいいですか?

Dポケットやベルトなど「BUCOらしい装備」を楽しみたいならJ-24、すっきりした見た目で普段の服に合わせやすいものを選ぶならJH-1が候補になります。どちらも馬革なので、最初は硬さと重さがあります。革の種類の記事も参考にしてください。

Q. タグに「Joseph Buegeleisen Co.」とあれば本物ですか?

BUCOの社名が入ったタグは手がかりのひとつですが、それだけで年代や真贋は決められません。ジッパーの刻印、スナップ、裏地、縫い方など、いくつかの点を合わせて確認しましょう。中古で買うときの見方は中古革ジャンの選び方にまとめています。

Q. 復刻の品番が違うと何が変わりますか?

THE REAL McCOY’SのJH-1は、品番によって革の仕上げ(アニリンかピグメントか)、色、パーツが変わることがあります。中古で復刻を探すときは、品番を確かめて、その年の仕様と照らし合わせるのが確実です。

まとめ

BUCO JH-1は、戦後のBUCOがライダースジャケットへ展開していく初期を知るうえで重要なモデルです。1947年に生まれたこの一着から、1953年のJ-24へと続く流れが始まりました。THE REAL McCOY’Sは、そのJH-1をホースハイドや年代を意識したファスナー、ライニングなどによって復刻しています。実物を選ぶなら個体の状態と修理歴を、復刻を選ぶなら品番ごとの仕様を、それぞれ確かめてから決めるのがおすすめです。

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関連: BUCO J-24|1950年代ヴィンテージとTHE REAL McCOY’Sを徹底比較 革ジャンの選び方 1930年代〜1950年代のレザーベスト 革ジャンの経年変化とは? 中古革ジャンの選び方

参考:THE REAL McCOY’S|BUCO THE REAL McCOY’S JH-1公式製品ページ Standard & Strange|Buco JH-1 Bill Kelso|BUCO JH-1 The Origins of Buco

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