革ジャンの「なめし」とは?|クロムなめし・タンニンなめしの違い
革ジャンについて調べていると、「クロムなめし」「タンニンなめし」という言葉を目にします。では、そもそも「なめし」とは何なのでしょうか。
なめしは、動物の皮を腐敗しにくく、製品として使える「革」に変えるための重要な工程です。革の種類とは別に考える必要があり、革ジャンの質感や仕上がりを理解するうえでも重要なポイントになります。
そもそも「なめし」とは?
動物から剥いだばかりの皮は、そのままでは腐敗しやすく、安定して製品に使うことができません。そこで、薬剤などを使って皮の性質を変化させ、保存性や耐久性を持たせます。この一連の処理が「なめし」です。
なめしの方法や、その後の染色・加脂・仕上げによって、革の柔らかさ、張り、手触り、表情などは変わってきます。
革になるまでの大まかな流れ
- 原皮を準備する
- 不要な組織や毛などを処理する
- なめしを行う
- 染色や加脂などの処理を行う
- 乾燥、伸ばし、仕上げなどを行う
- 用途に合わせた革に仕上げる
実際の製革工程は原皮や製品、工場によって細かな違いがありますが、大きく見るとこのような流れで皮が革へと変わっていきます。
クロムなめしとは?
クロムなめしは、クロム塩を使って行う代表的ななめし方法です。現在の革製品では広く利用されており、革を比較的短い時間でなめすことができる点などが特徴です。
- 現在の革製品で広く利用されている
- 比較的効率よくなめしを行える
- 柔らかくしなやかな革にも仕上げやすい
- 染色や仕上げによって幅広い表情を作れる
革ジャンに使われる革でもクロムなめしは珍しいものではありません。ただし、「クロムなめしだから必ず柔らかい」というように、なめし方法だけで革の性質を決めることはできません。
タンニンなめしとは?
タンニンなめしは、植物などに含まれるタンニンを利用する方法です。古くから行われてきた伝統的ななめし方法の一つで、革の種類や工程によっては、しっかりした張りや独特の質感を持つ革に仕上がります。
- 植物由来のタンニンを利用する
- 伝統的ななめし方法の一つ
- 張りやコシのある革に仕上がる場合がある
- 使い込むことで色や艶の変化を楽しめる革もある
クロムなめしとタンニンなめしの違い
| 項目 | クロムなめし | タンニンなめし |
|---|---|---|
| 主ななめし剤 | クロム塩 | 植物由来のタンニン |
| 特徴 | 幅広い革に仕上げやすい | 張りや独特の質感を持つ革に仕上がる場合がある |
| 利用 | 現代の革製品で広く利用 | 伝統的な革づくりなどで利用 |
| 経年変化 | 仕上げや革によってさまざま | 色艶の変化が分かりやすい革もある |
「革の種類」と「なめし」は別のもの
ここは革ジャンを理解するうえで特に重要です。シープスキン、ホースハイド、ステアハイドというのは、基本的に「どの動物の皮か」という分類です。一方、クロムなめしやタンニンなめしは「その皮をどのようになめしたか」という分類です。
つまり、同じ牛革でもなめし方法や仕上げが違えば、まったく違った表情の革になります。革ジャンを見るときは、革の種類だけでなく、なめしや仕上げにも注目すると、より深く理解できるようになります。
革ジャンを見るときに注目したいポイント
- 革の種類は何か
- なめし方法は何か
- 革の厚みはどのくらいか
- どのような染色・仕上げが施されているか
- 実際に触ったときの張りや柔らかさはどうか
スペックだけでは分からない部分も多いため、実物を見るときは、手触りやシワの入り方、光の当たり方まで観察すると面白いものです。
まとめ
「なめし」は、皮を革へと変えるための重要な工程です。クロムなめしとタンニンなめしにはそれぞれ特徴があり、さらに染色や加脂、仕上げによって革の表情は変化します。
革ジャンを深く知るなら、「何の革なのか」だけでなく、「どうなめされ、どう仕上げられた革なのか」まで見ることが重要です。
Leather Archiveでは、こうした革ジャンの素材や製法について、実物を見ながら少しずつ記録していきます。
次に読む: 革ジャンの革の種類を徹底解説 革ジャンはどう作られる?
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